はじめまして、テクニカル先端技術研究所の橋元理夫です。
私たちが株式に投資するとき、「利益は大きく損失は小さく」を理想として収益を目指しますが、「言うは易く行うは難し」でなかなか思う通りにいかないのが現実です。
通常、株式投資というと上がる株を探す「入口」に注目しがちですが、実は本当に重要なことは、損益を確定する売り時の見極め「出口戦略」にあります。
ここでは、私が講座で教えているノウハウの一部を含め、「出口戦略」の重要性や株式投資の大切な考え方についてお話しします。
これから株式投資を始める方や、すでに始められている方にとっても、今後のあなたの投資人生における重要なヒントになると思いますので、是非ご覧ください。
上昇途中で目先の利益を優先するあまり、売り急いでしまった
売りタイミングが遅れて、せっかくの利益を目減りさせてしまった
損切りの決心がつかず、損失が膨らんで「塩漬け」にしてしまった
これは、あなただけに限らず多くの投資家が経験する「小さな利益と大きな損失」という現象です。
これを繰り返していくと、累計の収益はプラスになるどころかマイナスになり、投資資金をも無くしてしまうことになりかねません。
もっと上がるかも
しれないという
欲
今の利益を失うかも
しれないという
不安
買値を下回り損失が
拡大していく
恐怖
みなさんが目にする株価は、常に上がったり下がったりしています。
先を見通すことができないという不確実性が、「もっと上がるかもしれない」「今の利益を失うかもしれない」「損失が拡大するかもしれない」という感情につながり、「小さな利益と大きな損失」という現象を引き起こすのです。
これを解決する手段として、株式投資の世界には、先を予測することが可能な「ある技術」があります。
その手助けをしてくれるのが株価チャートを使ったテクニカル分析で、その分析結果を私たちの投資判断に役立つように、効果的に見せるのが<チャート可視化技術>です。
私の運営する株式講座では、この<チャート可視化技術>を株式投資の軸にしています。
<チャート可視化技術>を習得すると、投資判断の精度はぐっと高まり、もっと収益を目指しやすくなります。「小さな損失」が実現するので、大切な投資資金を守ることもできます。
かつて私もそうでしたが、投資の世界では株式投資だけに限らず、みんな同じ失敗を繰り返し、同じ悩みを抱えています。
おそらく、あなたも同じような経験をして、ストレスを感じながら苦戦されているのではないでしょうか?
受講生の方とお話をしていると、失敗体験をよく耳にします。その中でも特に多いものが以下の事例です。
このような失敗は誰でも経験していることで、あなただけに限ったことではありません。
その時の状況は様々なので、自分だけの問題と思われるかもしれませんが、何度も同じ失敗を繰り返したり、他の人たちも経験しているということは、その「根っこ」には何か共通した原因があるはずです。
この原因を突き止めて、投資スタイルを変えることができれば、あなたの投資は今よりもぐっと楽になるでしょう。
※「上がる銘柄を探せていない」というのは、単なる条件なので原因の本質ではありません。
ではなぜ投資で失敗してしまうのでしょうか。
株式投資で収益を得るための重要な鍵は、上がる銘柄を探して買う「入口」よりも、いかに適切なタイミングで売るかという「出口」にあります。
出口には利益確定もあれば損切りもあります。
たとえば、今あなたが保有している株式に、次のような選択が必要だとしたら、どう行動しますか?
アンケートの結果では、多くの人が確実に50万円を手にするAを選択します。
半分の確率で倍になる可能性があっても、人は利益を失うかもしれないという「不確実性」を避けようとします。
では次のケースではいかがでしょうか。
Aを選択すれば、投資に失敗したという事実を今すぐ認めなければならず、アンケートの結果では、多くの人は損失を回避できる可能性に賭けてBを選択します。
この時、損失金額が自身の資産総額と比較して大きければ大きいほど、人は損失が確定するAを避けようとします。
このように人間には、利益が小幅であってもすぐに確保しようとし、損失は拡大する可能性があっても先延ばしにする傾向があることが分かっています。
これが、損得が絡んだ時の「投資家に共通する行動」なのです。
ご自身の経験を振り返ると「心当たり」があるのではないでしょうか。
従来、「人間の行動=合理的」だと思われてきました。
しかし、必ずしもそうではないということが、行動ファイナンスの研究結果で明らかにされており、投資における人間の行動には非合理性があることが証明されています。
(2002年にノーベル経済学賞を受賞)
人間は確実な
結果を好む
利益を受ける場合は
リスクを避け、
リスクがある場合は
リスクを取ろうとする
その結果、多くの投資家は、心理的に早過ぎる利益の確保と、遅すぎる損失の処理という「投資家心理の罠」に陥ってしまうのです。
こうした行動(クセ)の繰り返しこそが、まさに「利益を急ぎ、損を先送りすることで人が株式相場で損をする」決定的な理由です。
株を購入する場合、値上がりすることを期待して買います。
価格が順調に上昇して利益が乗っている間は安心ですが、少しでも大きな値幅で下落すると、途端にこのまま下降傾向に転じて値下がりするのではないかと不安になります。
その結果、思わず目の前の利益確保を優先して、確定売りをする行動を取ってしまうのです。
この傾向のことを「トレンド」と言い、上昇傾向を上昇トレンド、下降傾向を下降トレンドと呼びます。
価格は上昇するときには時間をかけてゆっくりと、下落するときには一気に下げる特徴があります。
そのため、価格の上昇が終わるまでじっくり待つことができず、小さな下げでも心理的な不安感から、目先の利益を優先して手放してしまうのです。
では、私たちはどうやって投資をすればいいのでしょうか。
いつ利益を確定すればいいのでしょうか。どのくらいの下げであれば我慢していいのでしょうか?
このような時に、上昇トレンドが続いているのか、下降に転じる兆しがあるのか、あるいは下降トレンドに転じてしまったのかを「判断する手段」があれば便利です。
ここからはその「判断する手段」についてお話ししていきます。
何より先に学ぶべきことはテクニカル分析です。テクニカル分析は、過去の価格推移や出来高から将来の価格や方向性を探る手法で、投資の場面における人間の心の弱さを克服するために考案されました。
今の株価が上下どちらの方向に向かっているのか、今後どこまで上がりそうなのか、どこまで下がりそうなのかを予測する助けとなります。
テクニカル分析では、株価の動きをグラフ化した「株価チャート」を使います。
しかし、ただ漠然と株価チャートを見ていても、見方や使い方が分からなければ、現状の把握や将来の予測はできません。
この状態を例えてブラックボックスとするならば、これをホワイトボックス化するために、可視化する必要があります。
「テクニカル分析を使って株価チャートを可視化する」これが解決に向けた糸口になります。
株価が上がったり下がったりするのは、需要と供給のバランスによるものですが、多くの場面において株価はテクニカル分析のルールに従って動いています。
上昇し始めるタイミングや下落が始まるタイミング、上値や下値の目処はどの水準になるのかといったことも、ルール通りに反応するケースが多く見られます。
言い換えれば、テクニカル分析のルールに「株価は動かされている」と言っても過言ではありません。
例えば、2020年3月のコロナショックで株価が大きく下落しましたが、やがてある価格で下げ止まりました。
現象としては、需要となる買いが売りを上回ったからなのですが、あの3月の底なし状況において、なぜその価格で下げ止まったのでしょうか?
また、その後のリバウンドで値を大きく戻しましたが、その時の上値はなぜあの位置で頭打ちをしたのでしょうか?
その答えも可視化することで浮かび上がってきます。
日経225銘柄の動きを精査すると、実に約50%もの銘柄においてテクニカル分析のルール通りの価格でリバウンド後に頭打ちをしていたことが分かります。
このように、テクニカル分析は非常に有効性の高い分析手法なのです。
結果がそうなるということは、株価を動かすルールを知って可視化できれば、将来の予測も可能だということになります。
最近は「見える化」という表現が広く使われるようになってきました。見える化とは「いつでも見える状態」にしておくことを指します。
私たちがスマートフォンやパソコンで見る株価チャートは、過去の株価の動きをグラフにして「見える化」された状態と言えます。
しかし、単に株価チャートが見えただけでは、私たちの投資行動に結び付くほどの情報は得られません。
ここで言う「可視化」とは、投資行動を起こす動機となり得る、分析的意味合いが濃い情報を能動的に見ることだと考えてください。
今、私たちに必要なのは、適切な投資判断を下せるまでに高めた可視化情報です。
株価チャートを可視化できれば、先々の見通しを立てられるだけでなく、心理的にも余裕をもって行動することができます。
この時に重要なことは、それぞれの局面に合わせた正しいテクニカル分析手法を使うことです。
そのためには、テクニカル分析の正しい見方や捉え方を知って可視化できることが重要です。
投資家心理の罠から解放されて、初めて銘柄を選定する意味がでてきます。
一般的には「上がる銘柄」という表現をすることも多いですが、これは非常に曖昧な言い方です。
上がった銘柄を「上がる銘柄だった」と後から見せられても意味がありません。
期待した銘柄がどこまで上がるのかは後にならないと分かりませんし、上がったと思う値幅感覚も人によって様々です。
しかし、可視化によって上がる可能性を追求することは可能です。
これをテクニカル分析の視点で言い換えると、「上がる可能性が高く、買いポイントが明確に分かる銘柄」と定義できます。
下がっている銘柄やこれから下がる可能性が高い銘柄を買うことは、確率的に得策ではないことは言うまでもありません。
一方で、上がる可能性が高いということは、下がる可能性もあるということです。
意に反して下げた場合には、手仕舞うタイミングを逸することなく、即座に売却しなければならないのは先に述べたとおりです。
「損切りをしなければならない売りポイントが分かる銘柄」も可視化することで見極めることができます。
以上のように、テクニカル分析によって可視化した情報で、効率的に投資を繰り返すことができるならば、最初に紹介したような失敗を繰り返すことなく、心理的にも不安や迷いのストレスから解放されるようになります。
ここまでを踏まえて、具体的な解決策を5つご提案します。
最初の4つは、可視化によって「投資家心理の罠」を解消するための「投資の質」をテーマにしています。投資の質とは、心理に左右されないテクニカル分析による見極め精度のことです。
5つ目は相場の流れに合わせて適切に投資額を調整する「投資の量」がテーマです。
解決の具体策は、この質(クオリティ)と量(クオンティティ)が揃うことで成立します。
最適な買いポイントは、大きく分けて2つの局面で訪れます。
下落していた株価が上昇トレンドに転じ始める「初動局面」、上昇トレンド中に何度か訪れる反落の後に再上昇する「押し目局面」の2つです。
この対策のメリットは、上がる可能性が高いタイミングを計れることです。
多角的・多面的にトレンドの変化を捉えていきます。
この対策のメリットは、株価の失速を捉えることで素早く利益確定ができるので、利益を最大限に伸ばせることです。
確定売りをした後に再上昇があるならば、買い戻して取引を継続させます。
この対策のメリットは、上昇トレンドの変化と勢いを味方に、途中からの参入も可能になる点です。
買値を割り込んできたら、さっさと売って損失を回避するという一言に尽きるのですが、頭では分かっていても「言うは易し、行うは難し」で、なかなか実行できません。
どこまでなら耐えて良いのか
どうなったら絶対に逃げないといけないのか
この線引きさえ見極めることができれば、あとは容赦なく売るだけです。
この対策のメリットは、まだ上がる可能性があるかもしれないという非合理的な望みに賭ける「投資家心理の罠」から逃れることができることです。
相場にも好不調の波があります。
相対的に上昇トレンドの勢いが弱い時や下降トレンドでは、たとえ上昇しても小幅に終わったり、すぐに買値を割り込んでしまう可能性が高くなります。
この流れを読み取りながら、不調の時にはいつもより投資資金を減らしたり、手控えるという判断が必要です。
反対に、好調の時には充分な資金を投じて、上昇トレンドに乗って利益を伸ばしていきます。
このように、柔軟に投資金額の量(クオンティティ)を調整することが重要です。
さて、長くなりましたが、テクニカル分析の実践的手法について、なんとなくイメージしていただけたでしょうか。
テクニカル先端技術研究所では、ここまで説明した内容を学べる株式実践講座を開催を開催しています。
株式投資に絶対はありませんし必勝法もありません。
当講座では上がる銘柄を探して買う「入口」から、「出口」となる利益確定や損切りに至るまでの分析理論と実践手法を、国際テクニカルアナリスト連盟の認定テクニカルアナリストから学ぶことができます。
株式投資の手段としてテクニカル分析を選択されるならば、早い段階で正統派の手法を学び、しっかりとした実践力を身につけることが大切です。
ここまでお読みいただいてご興味のある方は、是非オンラインの体験セミナー(無料)にご参加ください。
体験セミナーでは、テクニカル分析の理論や具体的な手法を説明するとともに、本講座でどのようなことが学べるかについてお話します。
株式投資が初めてという方や、テクニカル分析が初めてという方にも分かりやすく、「これなら自分でもできそうだ」と感じていただける内容になっていますので、ご都合の良い日程でご予約ください。
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テクニカル先端技術研究所 橋元 理夫